
Dojima Sasaki
Restaurant
Osaka
大阪堂島の一角にある馬肉料理専門店の改装計画。
料理と建築、どちらも試行錯誤を重ねた末に生み出されるものであり、その経験値と作り手の強い思いから完成しているものだと思っている。
そんな着想から店主の料理の思想や過程が店構えに現れる建築があってもいいのではないかと考えた。
ファサードは視線を低く誘導するしつらえとし、縦格子とガラスの隙間からこぼれる光によって奥行きのある建物であろうと仄かに認識できる程度としている。
人は元来、直接見えるものより、間接的に見えるものに意識や心を移しやすいといわれており、ここでしか味わえない料理に宿る味の奥行きを心ゆくまで堪能してもらいたい。
そんな料理に対する強い店主のメッセージが店構えに表れている。
内部は恣意的な素材や色の表現を落ち着いたトーンとし、料理への意識が高まるように素材を絞って構成している。
料理は明快な過程で生み出されるようなものでは決してなく、紆余曲折を経て生み出されるものだと思っている。
その過程に宿る深みや物語を、空間を通じて視覚的にも味わえる店ができたのではないかと思う。
設計監理 建築設計事務所アリンコ
照明計画 大光電機
施工 OZAMI + くれは工務店







